研ぎを知る

【基礎編】三徳庖丁のお手入れ方法

ご使用上の注意

冷凍食材、魚や鳥の骨などの硬い物は切らないようにしてください。

衝撃を加えたり、無理に力を入れると刃こぼれや大きな破損につながる場合がございます。

ハガネやステンレスに関係なく、ご使用後はできる限り早く水洗いをし、水気をしっかりと拭き取ってから保管してください。

水気を残したまま自然乾燥させてしまうと錆びの原因となり、切れ味の低下や刃こぼれに繋がりますのでご注意ください。

研ぐ前の準備

砥石を水に浸す

砥石を水に浸し、十分に水を含んだ状態で研ぎ始めます。

水につけた際に気泡が出る場合は出なくなるまでしっかりと浸してください。

気泡がでない場合は水分を吸収しない砥石、または水に浸す必要のない砥石である可能性があります。

この場合は表面を十分濡らしてあげればすぐにお使いいただくことができます。

砥石によって扱い方が異なり、中には長時間水につけてはいけない砥石もあるため、使用前に必ず付属の説明書をご確認ください。

砥石の状態を確認する

研ぎを始める前にまず砥石が平らであるか必ず確認しましょう。

上手に研げない人の多くが凹んだ砥石を使用している場合が非常に多いので、自分の持っている砥石の表面が平らであるか確認し、凹んでいる場合は面直し砥石を使用して平面が出るまで削りましょう。

写真のように大きく凹んでいる場合、完全に平らにするには非常に時間がかかるため新しい砥石を購入することをお勧めいたします。

面直しのやり方

初心者の方は写真のように砥石に放射状に線を描き、すべての線が綺麗に消えるまでを目安に面直しを行うと良いでしょう。

ポイントは過度に力を入れすぎないことです。

面直しを行う際は面直し砥石の中心に程よい力を加え、砥石の表面を均一に滑らせるよう意識してください。

前後、左右斜めと満遍なく面直しをしましょう。

面直しは研ぐ前だけではなく、場合によっては研ぎの合間に挟み、砥石の平面を維持するよう心掛けることが大切です。

お勧めの面直し砥石は電着ダイヤモンド砥石です。

おすすめの砥石詳細
ブランド:ナニワ研磨工業
サイズ:170×55×30mm
製法:ビトリファイド製法
研磨剤:炭化ケイ素
粒度:#24
価格:1709円

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サイズ:210 x 75 x 12 mm
製法:電着
研磨剤:ダイヤモンド
粒度:荒目(#140)
   中目(#400)
   細目(#600)
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価格:9133円~

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※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。

庖丁の状態を確認する

研ぎ始める前に必ず庖丁の状態を確認しましょう。

どの部分に問題があり、どのような手順で研ぎ直しを進めるか、ある程度目的を定めてから研ぎ始めることで効率よく正確な研ぎに繋がります。

確認の際は以下のポイントを参考にチェックをしてみましょう。

  • 刃こぼれはないか
  • 刃の厚みは適切か
  • 庖丁が歪んでいないか
  • 庖丁が元の状態から変形していないか

これらをチェックすることで、自分で修理ができる状態であるか、それとも専門店に依頼する必要があるのかを判断しましょう。

特に大きな刃欠けがある場合や庖丁自体が大きく歪んでしまっている場合は無理に自分で修理しようとせず庖丁専門店に相談することをお勧めします。

https://kakiknives-japan.com/1386/

研ぎ方

庖丁の状態によってどの番手から始めるのが最も良いか以下の例を参考にして判断してみましょう。

・厚み抜きが必要ない場合
・庖丁に大きな問題がない場合
 →仕上げ砥石(#3000~)から研ぎ始める。

・厚み抜きや形作りが必要な場合
・細かい刃こぼれがある場合
 →中砥石(#1000)から研ぎ始める。

・大きな刃欠けや変形が著しい場合
 →荒砥石(#400以下)から研ぎ始める。
※状態が悪い場合は庖丁専門店に依頼するのがお勧めです。

最初は判断するのが難しいと思いますので、特に買って間もない庖丁でしたらまずは仕上げ砥石から研ぎ始めてみると良いでしょう。

砥石に対して庖丁の角度は45~60°で研ぐようにすると安定します。

刃先の角度は三徳庖丁であれば12~15°が一般的です。

コイン1~2枚分の厚みと言われることが多いようですが、角度は庖丁の厚みや状態によっても変化するためあくまでも目安として参考にしてください。

初心者の方は庖丁を刃元・中腹・切っ先に三等分して、それぞれの部分をできる限り均一に研げるように回数をカウントしながら研ぐと良いでしょう。

上達するためのコツは、常に自分がどの部分を研いでいるのか(どの部分が研げているのか)を意識することです。

研いでいるつもりでも、実際には砥石に当たっておらず研げていないことが多々あるため、しっかりと狙ったところが研げているか逐一確認しながら、手先の感覚と頭の中にあるイメージをすり合わせていくことが大切です。

庖丁を抑える際は必ず研ぎたい部分に指を置いてください。

この時、あまり強く力を入れすぎないことがポイントです。

庖丁を握る手で角度を調節し、反対側の手では研ぎたい部分を軽く押さえながら前に押し出すように意識しましょう。

切っ先の反りが強い部分は中腹から刃元の部分と同じように研いでも砥石に当たらないため注意が必要です。

切っ先が上手く研げていない場合は刃のカーブが無くなり直線に近づいていきます。

更に状態が悪くなると嘴のように凹んだ形に変形していきます。

お持ちの庖丁が上記の形に変形している場合は切っ先が砥石に当たっておらず、上手く研げていないということですので、再度自分の研ぎ方を見直してみましょう。

切っ先は写真のように持ち手を切っ先側に少し持ち上げるようにして研いでください。

ポイントは庖丁と砥石の角度は同じく12~15°を保ちつつ、持ち手の高さを調節することです。

刃の状態を確認しながら研ぎ進めていき、全体にカエリが出るまで研ぎましょう。

カエリは写真のように庖丁の側面に指を置き、刃先に向かって撫でるように動かすと分かりやすいでしょう。

指先にザラザラとした感覚が伝わればカエリが出ている証拠です。

この感覚は砥石が細かくなればなるほど小さくなり分かりづらくなっていくので、指先に意識を集中して確認しましょう。

刃先を触る方がいますが、この方法ではカエリがあるかどうかはわかりませんので注意してください。

カエリが庖丁全体に確認出来たら、次は反対側の手に持ち替えてもう一方の面を同じように研いで行きます。

今度は反対側に均一にカエリが出たことを確認出来たら、庖丁の角度を少し立てて左右1-2回ほど砥石の上で軽く滑らせます。

最後に新聞紙で刃先を軽く擦るようにして動かし、細かいカエリを取り除いて終わりです。

実際に食材を切ってみて思った通りの切れ味になっているか確認してみましょう。

ポイントのおさらい

必ず平らな砥石を使用すること。

研ぐ前に庖丁の状態を確認すること。

研ぐ際は力を入れすぎないこと。

庖丁と砥石の状態を確認しながら研ぐこと。

目標は手先の感覚とイメージを一致させること。

基礎編ということで比較的簡単に説明をさせていただきましたが、研ぎは庖丁の種類や状態によっても様々な手法が存在し、非常に奥深いものです。

情報がありふれている現代では、知識ばかりが先行しがちで砥石や庖丁を選ぶのに時間を掛けすぎている方が多いと感じます。

もちろん大切な道具なので時間をかけて慎重に選んでいただきたいのですが、僕の経験上道具は使ってみて分かることの方が圧倒的に多いと思っています。

悩みすぎるよりも、実際に手に取って経験をすることが上達への一番の近道であることは間違いないでしょう。

庖丁に興味を持ち、さらに詳しく勉強したいと思った方は書籍を購入することをお勧めします。

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※価格は公開時点での価格であり、変更されている可能性がございます。