Q:良い天然砥石はどれくらいあると思いますか?
藤原:まずねその山から掘ってきてる時点で何割下に下ろしてるんだろうっていうぐらい。
その砥石を掘るじゃない?でその斫りって言ってまず目ぼしいやつを斫ってくんだよね。要するにそのまま、丸々持ってくると結局下で余分なところ削り落とす、であればもう山の上で落としてた方が軽く降ろせるから。それで鍛えたり斫ってくんだけどその表面をね。それでちょっとコンパクトな感じにはするんだけども、そこの時点でほぼほぼ多分誰も分かってないと思うんだよね、良い砥石になるかどうか。
柿沼:そこから持って帰ってきて、切ってみてダメじゃんみたいなのが結構あるってことですか?
藤原:うん。だから、まずそこの下ろせるよねっていうところに来る見込みがあるかどうかでまずもう選別があり、で叩いてる間に割れてくる可能性もあるんだよね。そうすると、ああ行けると思ったけどダメじゃないっていうのでポイだったりもあるし、でそっからね鍛えて、下に持ってって切ってみたらダメだったとか。
本当にびっくりするぐらい良い原石で持って帰ってきて切ってみたらクロスで筋が入ってるやつが1回あってたりとかね。これは自然のいたずらすぎないっていうぐらい、本当にもうね逃げ道がない完全にバツで筋が入ってたら、もうね使えるところを探すこともできないていうのもあって。そっからさらに整形されていいやつの中からさらにとる。
うん、だから当然10%なんてもありえない話で数%もないんじゃないかな。
柿沼:うんうん。
藤原:そうイメージ的にはね。そうただそれはやっぱりストライクゾーンが広いっていうところが1つで、その鋼材ね、使ってる刃物の金属によって相性っていうのも当然さっきの炭化物っていうものの大きさによって削れやすい削れにくいっていうのも当然砥石との相性も出てくるし。
結果論、削った時にその思った削りができるかできないか、っていう最終ゴールに合わせてその付き合わせっていうのも当然出てくるので、僕が言ってる砥石っていうのができる限り多くの方々に合う砥石を選んでいるんだけども、それは本当にものすごく多分少ないとは思う。
柿沼:その山からこっちに来る時点で数%ってことですよね。そっからさらに藤原さんが絞るから0.00…
藤原:そんなになるのかな?
柿沼:でも結論そうですよね。その中でも藤原さんが選ぶと。
藤原:そうそう。
でさらに言うとね、その○○さんっていうね相棒がうちの月山義高刃物店で売る砥石っていうのはこういう傾向っっていうのも彼が分かってくれてるから、そこでもすでに選別して送られてくるのね。その中でまたわがままに全部弾いていく。
柿沼:うんうん。
藤原:そう。そういうことをやってるんでね。だから、なかなか本当にこれはっていうのは出ないかな。
柿沼:貴重ですよね。1万分の1とかじゃないですか。
藤原:どこから計算するかにもよるからね。
柿沼:原石から・・。
藤原:そうだね。そんな確率になってもおかしくはないかな。
柿沼:ていうのが背景にあるからこそそんなに数ができないってことですよね。
藤原:そうそうそう。
柿沼:だから一瞬でもう(売り切れてしまう)
藤原:そう。だから結構よく言われるんだけども、めっちゃ儲かってるんじゃないですか?て言われがちなんだけど、、。
柿沼:本当、皆さんこれ僕も色々お話聞いてるからわかるですけど、藤原さんの商品、天然砥石に限らずものすごくこだわってるからこそ皆さんが想像してるよりも大変です。
藤原:そう。まあね、でそのね産業としてちゃんとね成り立たないといけないから。その天然砥石掘ってる方も生活があるし、だから送られてきたものを返品するってほぼないのよ、よほどのことがない限り。そこで選別してダメだったやつはうちのはいアウトレットでも自分で。だから原価割りしてるやつも結構あるんだよね。
柿沼:あー。
藤原:だからね、そういう意味では。
柿沼:トータルでは、、あれですよね、、。
藤原:そうそう。手間とね時間をかけてっていうのとね、そうやってもう原価割れしてるようなやつとかも買い取ってとか。そういうのも含めて考えると本当にね。。。あのー。
柿沼:こういう話を聞くと、それこそ料理人でこういうのが欲しいって決まってる方は最初から藤原さんのところで買った方がトータルでは(安くなる)。ダメなやつとか、失敗したくない方は確実なのかなって。常に(Instagramを)フォローしてチャンスを伺ってっていう感じにはなっちゃうと思うんですけどね。
藤原:そっからね、天然砥石自体を勉強したい楽しみたい方はいろんなねお店さん行かれると本当にねいろんなものを触らせてもらって、合う合わないっていうのもあると思う。
柿沼:というぐらい品質のいいものは難しいっていうことなんで、一般的に売られてるものでも良いか悪いかもちろん個人のその好き嫌いっていう面もあると思うんですけど。
藤原:いや本当ですね。
柿沼:はい。なかなかその出会えない。
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