海外活動

【台湾編】刃物研究社の立ち上げ

こんにちは。

庖丁専門店スタッフのTomoです。

僕は学生時代に台湾に留学をしておりました。

その際に、大学内で立ち上げたサークルでの経験が僕の人生に大きな影響を与えていると感じております。

そこで今回は僕が庖丁業界に入る前にどのような活動を行っていたのかを皆さんにご紹介させていただこうと思います。

国立高雄餐旅大学

通称NKUHT、NATIONAL KAOHSIUNG UNIVERSITY OF HOSPITALITY AND TOURISM

台湾の国立大学で、主に航空業界・ホテル業界・飲食業界等における人材を育成する国立大学です。

台湾では旅行・飲食業界における最高峰の大学とされており、日本で例えるならばホスピタリティ業界における東大のような立ち位置の大学になります。

日本ではこのような国立大学はおそらく存在せず、専門学校に通って学ぶ必要がある場合が殆どでしょう。

国立高雄餐旅大学(こくりつたかおさんりょだいがく、英語: National Kaohsiung University of Hospitality and Tourism、公用語表記: 國立高雄餐旅大學)は、台湾高雄市小港区松和路1号に本部を置く台灣国立大学である。2010年に設置された。大学の略称は高餐。 餐旅とは英語の”Hospitality”、日本語では「ホスピタリティ」の意味。高いスキルと外国語の応用力を持ちホスピタリティ業界(ホテルレストラン旅行会社航空会社など)において即戦力として活躍できる人材を養成することを目的として1995年12月に設立された台湾で唯一の大学である。

Wikipediaより

2021年にはQS(Quacquarelli Symonds)というイギリスの高等教育調査機構による審査で、ホスピタリティ領域での大学ランキングで、世界50位・アジア9位・台湾1位を獲得しました。

国際学院・国際調理学科

学科名は日本語に訳しましたが、名前の通り主に調理に関しての知識と技術を学ぶ学科です。

また、調理関連の学科では他にも中華・西洋・ペイストリーなど様々な学科が存在します。

僕が在籍していた国際調理学科が他の調理学科と異なる点が、すべての授業が英語で行われるという点です。

当時は母の影響もあり料理に興味があったので、この大学に入学しようと考えていたのですが、その中でも国際調理学科を選んだ理由は料理に加えて言語の学習もできると思ったからです。

クラスメイトには、マレーシア・シンガポール・マカオ・カナダ・ニュージーランド等々からの留学生も在籍しており、非常に国際色豊かなクラスでした。

結果、中国語が第二言語としてビジネスレベルで話せるようになり、英語に関しても特定の分野であればある程度話せる力が身に付きました。中国語と英語の資格を保持していることで、海外との接点も増え、現在の仕事に大いに役立っています。

海外で日本料理に触れる

大学3年生に一年間、日本人が料理長を務める旅館でインターンをすることになり、そこで初めて本格的に日本料理に触れました。

なぜ、台湾に行ってわざわざ日本旅館へインターンに行ったのかと聞かれることが多いのですが、「実際に海外に出て初めて自分の無知を実感した」というのが一つの理由に挙げられます。

台湾に行ったことで、今まで見えなかった日本の素晴らしさを知る機会にもなりましたし、逆に当たり前だと思っていたことが、日本以外の多くの国では特別ことなんだと知ることができ、より客観的に物事が見られるようになったと思います。

また調理場に入ったことで、より実践的に庖丁を扱う機会が増え、日本料理や庖丁を含め、伝統文化により興味を持つようになっていきました。

サークルの立ち上げ

学生時時代に、僕は食材を如何に効率よく・美しく切り、如何に美味しい料理を作るか、ということを常に考えながら研究していました。

料理の完成度を上げるためには食材や調理方法の勉強だけではなく、庖丁についての勉強もする必要があると感じていたので、書籍や動画などを参考に日々試行作度を繰り返していました。

その中で、大学のカリキュラムに庖丁の扱い方や手入れの仕方について正しい知識を教える授業がないのは如何なものか?と感じ、庖丁についての勉強の場を作ろう思った。というのがサークル設立のきっかけです。

全ては一人の親友と出会えたことが始まりで、彼も料理に対して人並み以上の情熱と高い志をもっており、現在は2店舗目の星付きレストランで修業をしています。

サークル活動

サークルでは、主に日本の庖丁文化や知識、各庖丁の研ぎ方や扱い方等を教える活動をしておりました。

毎週一回の活動がメインで、校内の学生を対象にした授業を2-3時間程行い、部員も当時は20人近くいたと思います。

固定のサークル活動以外にも、校内で各学科の授業に講師として参加し生徒に対して指導をしたり、定期的に一般の料理人に向けた講座なども開催し、台湾の方に日本の伝統文化をより身近に感じてもらえるように努めておりました。

また、他校の生徒と交流会を開催したこともあり、楽しみながら一緒に学ぶことで日本を知ってもらうきっかけ作りができたのではないかと思います。

有難いことにサークルはしっかりと受け継がれており、現在5代目になります。

これもサークルを設立する際にお世話になった先生や同期、僕が卒業した後にサークルを支えてくださっている先生や後輩たちが居てこそです。

初代部長として、何かしらの形で母校にも恩返しをしていきたいと考えております。

今回は僕の留学していた大学の紹介と、サークルの立ち上げまでの経緯を簡単に紹介させていただきました。

現在、コロナで海外にも行けずこういったイベントが開けない状況で辛いですが、このコロナ期を逆に準備期間と捉えて、海外へ行けるようになった時には更に多くの人に向けて、笑顔の溢れるイベントを開催して行きたいです。

どんな形であれ、日本の文化について学びたいという方がいることは非常に嬉しいことですし、僕がこういった形で発信することで、職人さん方にも僕の活動を知っていただき、今後また新しい形で伝統産業を盛り上げていけるのではないかと希望を感じております。

また、海外に向けて何かしらの活動をしたいという方は、何かお役に立てるかもしれませんので是非ともご相談ください。

【Instagram】 tomo_knife_life