庖丁を知る

和式柄の種類

和式柄

主に和庖丁に使用される柄で、差込型になっています。

形状

栗柄(くりえ)

和庖丁に取り付ける柄で、最も一般的な形になります。

側面の片側が突き出た形状をしており、断面が栗に似ていることから「栗柄」と呼ばれています。

円柄(まるえ)

断面が楕円状の形をしている柄になります。

栗柄と同じく、比較的安価な庖丁に取り付けられることが多いでしょう。

八角柄(はっかくえ)

一般的に、中~高価格帯の和庖丁に付属している和式柄です。

標準仕様では朴木、本焼きなどの高価格帯商品には黒檀などの銘木を使用したものが多く使用されています。

材質

朴木(ほうのき)

最も幅広く使用されている木材です。

加工がしやすく、コストも安価なため和式柄の材質の中では、最も普及している木材です。

握り心地は非常に良いですが、木材が比較的軟らかいため、水分や汚れ、食材の臭いなどが染みつきやすい点がデメリットとして挙げられます。

紫檀(したん)

銘木の一種。

原木は部分によって薄い茶色~濃い紫色を呈し、比較的高度の高い木材です。

朴木に比べて耐久性や耐水性が高く、汚れや臭いも付きにくいため、より長くお使いいただけます。

黒檀(こくたん)

銘木の一種。

原木は主に濃い茶色~黒色を呈し、非常に高度の高い木材です。

和式柄では紫檀よりも高価な木材として扱われ、加工にも手間がかかるため価格は1万円前後~とやや高めです。

黒檀は更に高い耐久性と耐水性を有しているため、上質なものであれば10年以上問題なく使用できるでしょう。

胡桃(くるみ)

銘木の一種。 別名:ウォールナット。

薄褐色~暗褐色を呈します。

割れにくく、加工がし易いことで知られています。

鉄刀木(たがやさん)

銘木の一種。

主に濃い褐色を呈します。

耐久性が高く、仕上がりが美しいと評判の木材です。

花梨瘤(かりんこぶ)

銘木の一種。

原木は黄色がかった茶や、円寿色または褐色を呈します。

花梨の木の中でも、バールと呼ばれる瘤の部分を使用した和式柄です。

密度が高く良質なバールは希少で、加工の際に廃棄になる割合が多いので、非常に高価な材質として扱われています。

黄金楠(おうごんくすのき)

銘木の一種。

磨きをかけると黄金色に輝くのが特徴で、東南アジアなどでは高級家具などにも使用されている木材です。

硬度はそこまで硬くないので、比較的扱いやすい材質でしょう。

スネークウッド

銘木の一種。

名の通り、蛇の表皮に似た模様を呈しているのが特徴です。

スネークウッドの中でも柄が綺麗に出ているものは非常に珍しく、銘木の中でも特に高価な木材として扱われることが多いです。

非常に硬度が高く耐久性には優れていますが、環境の変化に弱く、温度や湿度の変化で割れる場合があります。

人工象牙(じんこうぞうげ)

象牙を模した特殊樹脂で制作した和式柄です。

耐久性、耐水性とも優れており、滑らかな触り心地が特徴です。

全体を白で仕上げることで、シャープで清潔感のある仕上がりになっています。

衝撃には弱いため落下したり、硬いものに打ち付けると割れる危険があるので注意が必要です。

スタビライズドウッド

木材に樹脂を浸透させることで硬化させた材質です。

耐久性、耐水性に優れており、樹脂を染色することで様々な色に染めることが可能なので、バリエーションが豊富な点も魅力です。

柄(持ち手)もこれだけ多くの種類が存在し、それぞれに特徴があります。

材質が異なれば、庖丁の重さや重心も変わってきます。

握りやすさもお客様によって大きく分かれるポイントですので、庖丁を購入される場合は実際に持ち比べてみることをお勧めいたします。

【Instagram】 tomo_knife_life