職人を知る

【職人シリーズ 刃付師篇】高田ノハモノ TAKADA no HAMONO in 堺

高田ノハモノ

刃付師 高田充晃さん(大阪・堺市)

同じく堺区に工場を構える芦刃物製作所で経験を積んだ後に独立し、空き家だった古民家を自ら改装して工房をオープン。

大阪・堺では庖丁製作を工程ごとに分け、分業制とすることでそれぞれの道のプロフェッショナル達が協力して一つの作品を作り上げます。

その中でも刃付けを担う職人として活躍し、美しさと切れ味を兼ね備えた庖丁を世界中へ送り届けている方が本日紹介させていただく高田さん。

詳細

大阪府堺市堺区神明町東2-3-11

mitsuaki-t@takadanohamono.com

http://www.takadanohamono.com/

作品集

水墨 Suiboku

高田ノハモノの代表作であり、世界で唯一の仕上げになります。

名前の通り水墨画を連想させるような幻想的な仕上がりになっており今までにない完全オリジナルの作品です。 

作業工程は非常に多く、細部にまでこだわって製作するため一日に数本のみしか生産することができません。

初期の作品に比べ現在(2022年)の仕上がりは水墨と鏡面のコントラストがより一層強くなっており、その輝きを増しています。

時代によって変化していくということは庖丁に対する情熱を持ち続けて、日々の試行錯誤を積み重ねているということ。職人さんとしての仕事への向き合い方が作品にも現れていると感じます。

令花 Reika

庖丁には花びらを模した槌目紋様が散りばめられています。

シンプルでありつつもワンポイント目を引くようなデザインを施すことで、バランスの良い作品に仕上がっています。

こちらも主に海外ファンからの人気が高い庖丁です。

花火 Hanabi

花火の紋様を庖丁に刻印し、可愛らしくも日本の夏を感じさせるデザインです。

庖丁は言ってしまえばただの道具に過ぎませんが、こういった遊び心が一つ加えられることで使う度に気分が明るくなりますし、毎日の料理がより一層楽しくなること間違いなし。

花火の刻印ですが当初は自ら金属を彫って製作したそうです。

墨流 Suminagashi

墨流とは何層にも重なった金属からなる紋様を指します。

別名ダマスカスとも呼ばれ、国内外問わず非常に人気のデザインです。

世界中を探しても全く同じ紋様は二つとして存在せず、一本ごとに味わいの異なる点が魅力です。

高田さんの墨流は水墨仕上げと相まって、より一層幻想的なデザインとなっており、他には絶対に真似のできない作品に仕上がっています。

https://kakiknives-japan.com/497/

本焼 Honyaki

本焼きとは一枚のハガネで作られた庖丁で、数ある庖丁の中でも最も価値の高い部類に入ります。

製作には高度な技術を要することから、本焼きを作ることができる鍛冶屋は現在日本に五本指に収まる程しかいないと言われています。

無垢材のため合わせの庖丁と比べて研磨作業に時間がかかる上、非常に繊細であるため刃付けの際にはより一層慎重に扱う必要があります。

高田さんのように本焼きを美しく仕上げることのできる刃付け師もまた限られており、総じて希少価値の高い庖丁と言えるでしょう。

https://kakiknives-japan.com/307/

化粧箱

庖丁だけではなく包装用の箱にもこだわりを持ち、わざわざ京都まで作り手を尋ねに行くほど。

質感や包み方、感謝状のデザインまで細部に渡って気配りが感じられ、高田さんのお人柄や作品への想いが商品全体を通して伝わってきます。 

思い出

高田さんが開業されて間もない頃、挨拶として堺区にある工房へ伺った際に特別に庖丁の刃付け指導をしていただきました。

※一般向けの研ぎ講習等は受け付けておりませんので、ご注意ください。

朝の9時からお昼にかけて、庖丁の生地を一から円砥で削り出し、バフがけ、柄付けなど複数の工程を経て完成までを丁寧にご指導いただいたのを鮮明に覚えています。

複数ある工程の中でも庖丁を円砥に当てる角度を掴むのが1番難しかったです。また、通常の手研ぎよりも削れるスピードが格段に速いため、細心の注意を払いながら研ぎ進めないとあっという間に削り過ぎてしまいます。実際に軟鉄部分を削りすぎてしまい、峰側にハガネが出てきてしまいました。

円砥を使うのは人生で初めての経験でしたので、とにかくドキドキワクワクしっぱなしの夢のような時間でした。

基礎的な部分のみを体験させていただきましたが、実際に身をもって体験することで職人さんの仕事が如何に難しいものであるかを肌で感じることができました。

当時もお忙しかったのにも関わらず、貴重なお時間を割いていただき非常に素晴らしい経験となりました。

何より刃付師の仕事について楽しく勉強することができましたし、高田さんの庖丁へのこだわりも知ることができ、庖丁専門店スタッフとして更に成長することができたと思います。

その後工房にて購入させていただいた庖丁達は数年経った今でも現役で活躍しております。

当初は自分用に購入したのですが、いつの間にか母のお気に入りになっていて、僕が「前に良い庖丁プレゼントしたじゃん」と言うと、「高田さんの庖丁が1番使いやすいから」との一言。母に取られてしまったので、僕専用の庖丁をまた購入させていただきました。

全部で30〜40丁ほど庖丁を持っていますが、僕が今まで使った牛刀の中で一番気に入っている庖丁です。

非常に薄く研ぎぬかれ、緩やかな蛤刃に仕上げているので食材への入りも抜群に良く、一度使ったら病みつきになる切れ味。特にキャベツの千切りやオニオンスライス等で他の庖丁との差が明確に分かります。

芸術的魅力もあり、実際に使ってもよく切れる夢のような素晴らしい庖丁なので、興味のある方には強くお薦めしたいです。

僕自身は開業された当初からお世話になっておりますが、高田さんが手掛ける庖丁は日に日に魅力が増しており、常にファンを心からワクワクさせるような、そんな職人さんです。

今では世界中で高田ノハモノ旋風が巻き起こっており、入荷してもすぐに品切れになってしまうほどの人気です。

製作に時間がかかるため、現在は生産が追いついておらず多くのファンが高田さんの作品を指を咥えて待ち構えている状況です。

日本では合羽橋にあるつば屋庖丁店が取り扱い店舗となりますので、ご興味のある方は是非訪れてみては如何でしょうか。

ウェブショップはこちらから

※欠品している場合もございますので、遠方から訪れる方は前もって在庫のご確認されることをお勧めいたします。

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